Project/Area Number |
08750339
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
電力工学・電気機器工学
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
高尾 智明 上智大学, 理工学部, 助教授 (30245790)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 超伝導コイル / 構造材料 / 安定性 / トレーニング特性 |
Research Abstract |
超伝導導体の動きによる機械的擾乱に対する超伝導コイルの安定性を、コイル巻枠材料の観点から検討した。用いた材料は、代表的材料であるガラス繊維強化プラスチック(GFRP)と、負膨張特性を有するポリエチレン繊維強化プラスチック(DFRP)である。一部の実験ではアルミナ繊維とポリエチレン繊維の強化プラスチック(ADFRP)を用いた。 1.小型コイルの安定性 超伝導線の巻線張力を3種類、巻枠材料をGFRPあるいはDFRPとした超伝導コイル(合計6種類)を励磁した。DFRPコイルは、巻線張力が弱い方がトレーニング特性でのクエンチ電流値が高く、GFRPコイルではその逆の結果が得られた。また、同一の巻線張力おいて両材料を比較すると、3種類の巻線張力全てでDFRPコイルの方がクエンチ電流が大きく、安定性が高いことが示された。 2.摩擦係数の検討 摩擦係数は摩擦発熱の主要な要素の一つであるため、繰り返し滑りにおけるDFRP、GFRP、ADFRPの摩擦係数を、液体ヘリウム温度で実測した。DFRPとADFRPの摩擦係数は、繰り返しに対する変化が少なく、それぞれ0.2〜0.3、0.15程度であった。GFRPの摩擦係数は、繰り返しによって約0.6から半分程度に減少した。摩擦係数が一定値の場合、摩擦発熱量が精度良く予測できるため、DFRP及びADFRPコイルは設計しやすいと言える。 GFRPコイルに比べてDFRPコイルの方がトレーニング特性が優れており、安定性が高いことが実験的に示された。その要因の一つとして摩擦係数を実測し、DFRPの摩擦係数がGFRPのそれよりも小さいとの実験結果が示され、DFRPを用いた方が摩擦発熱が小さいことが予想される。また、ADFRPの摩擦係数もDFRPと同様に小さいため、DFRPよりも降伏応力が大きく構造材として優れているADFRPコイルも、安定性が高いことが期待される。
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