GHz帯膜厚差型一方向性すだれ状電極を用いた広帯域低損失弾性表面波フィルタ
Project/Area Number |
08750388
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
電子デバイス・機器工学
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小田川 裕之 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (00250845)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 膜厚差型一方向性変換器 / 弾性表面波フィルタ / 低損失フィルタ / 広帯域フィルタ / GHz帯フィルタ / 微細加工 |
Research Abstract |
次世代移動体通信に必要となる、GHz帯低損失弾性表面波フィルタについて研究を行った。膜厚差型一方向性すだれ状電極は、電極に同種或いは異種金属の異なる膜厚を用いることによる反射係数の違いを利用して一方向性を得るものであり、高効率な励振特性を有し、低損失、広帯域特性を得ることが可能である。これについて、以下の研究成果を得た。 1.等価回路によるシミュレーション及び実験を行い、低損失特性を得るために重要となる「すだれ状変換器の一方向性化」に必要な、電極材料と膜厚の関係を明らかにし、実用的な膜厚の範囲内で、良好な特性を得ることが可能であることが確認された。 2.この電極を用いたGHz帯フィルタの作製プロセスの研究を行った。これには、5GHz帯(波長0.72μm)の場合は0.18μm、10GHz帯(波長0.36μm)の場合は0.09μm、15GHz帯(波長0.24μm)の場合は、0.08μmといった非常に微細で、かつ膜厚差を有する周期電極を電子ビーム露光装置を用いたリソグラフィ技術を用いて作製する必要がある。この構造を、重ねあわせ露光を用いずに作製する方法について研究を行い、斜め蒸着を用いることにより、作製可能であることを示した。 3.実際に、5GHz帯、10GHz帯、15GHz帯のフィルタの試作を行った。これにより、5GHz帯で、挿入損失4.1dB、10GHz帯で9.4dBの今までにない低損失特性を得た。また15GHz帯では、未だ完全な電極が得られておらず、挿入損失は約40dBであったが、今までにこの周波数帯で報告されている弾性表面波フィルタの中では、最良の特性を得た。 今後、作製プロセスの最適化を行うことにより、20GHzを越える周波数帯の弾性表面波フィルタが実現可能である。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)