適応カオス制御を用いた情報セキュリティシステムに関する研究
Project/Area Number |
08750458
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
情報通信工学
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大森 浩充 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (90203942)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | カオス / 秘匿通信 / フィードバック制御 |
Research Abstract |
カオス信号が典型的な広帯域でノイズライクな信号であり、情報秘匿に有用な信号クラスを提供していることに着目して、従来では、送信側で情報信号にカオス信号をマスキングして送り、受信側でカオス同期を発生させ情報信号を取り出すようなカオス秘匿通信方法が提案されている。しかし、情報信号に依存してカオス同期が難しくなることが知られていた。研究の前段階では、この情報信号のクラスをローレンツカオスシステムにおいて明らかにした。傾向的には、振幅が大きく周波数の小さい情報信号ほど復元が難しいという、特徴的な事実が判明した。このような基礎解析に基づき、本研究では、カオス秘匿通信システムにおいて、信号復元に用いるカオス系をマスターカオス系に追従させるように制御入力を発生させる制御システム機構を導入し、理論的な解析を行いその有効性を検証することを目的とした。本研究で得られた結果は下記の通りである。 1.制御システム問題を非線形H無限大最適制御問題の構造として定式化し、設計で用いるハミルトンヤコビ方程式を導出することができた。 2.事前情報として情報信号の有する周波数帯域を用いることで、制御システムを内部モデル原理より設計することができ、情報信号の復元可能なクラスを大きく広げることができることを数値シミュレーションにより確認できた。 3.内部モデル原理による設計法では情報信号に関する事前情報を必要とし、初期の目的は果たされているとは言えない。そこで、階層構造のニューラルネットワークを制御構造に用いて、あらかじめ情報信号を学習を学習させることによりニューラルネットワークの汎化能力を用いたカオス秘匿通信システムを構築した。 今後、受信側マスターカオスと送信側スレイブカオスのパラメータ誤差に対するロバスト同期化システムの構築と白色性外乱の影響軽減問題に対処していく計画である。具体的には、パラメータ誤差に対する最大のロバスト性を有するロバスト適用制御システムの導入を考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)