通信路容量に基づく光通信方式の受信過程の最適化に関する研究
Project/Area Number |
08750459
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
情報通信工学
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
山崎 浩一 玉川大学, 工学部, 講師 (30230395)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1996: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 光通信方式 / 通信量容量 / 量子情報理論 / 量子通信理論 |
Research Abstract |
本研究は、通信路容量を評価基準とした光通信システムの受信方式の最適化を目的とするものであり、基本的な成果を得るとともに、それを応用した研究において成果を得た。ここでは、その基本的な成果について報告する。 通信路容量は実用面において通信路符号化と密接な関係がある。量子信号の通信路符号化に関する研究として、線形従属な信号の符号化法として、同じ信号を二回続けて送信するときに、二つの信号を二回に分けて受信する(逐次測定)より、二つの信号を一つの信号として一括に測定する(結合測定)ことにより相互情報量を増化することができることが示されている(Phys.Rev.Lett.vol.66,1119,1991)。多くの通信システムでは線形独立の信号を用いており、線形従属の信号を用いることは少ない。そこで、本研究では二元線形独立な信号について同じ信号を連続して伝送する場合の逐次測定と結合測定により得られる相互情報量を比較することにより、線形独立な信号では逐次、結合測定のどちらにおいても等しい相互情報量が得られることを示した。本研究では、三次拡大以上の信号においても同様の結果が得られることを示した。ところで、二元信号に対する最大相互情報量は、最小誤り率を達成する受信機で得られることが明らかにされており、また、このような受信機の実現法も明らかにされている(例えば、Dolinar受信機)。これらの事実と本研究結果より、同じ信号を連続して送る符号化を用いた光通信方式では、誤り率を最小にする受信機により最大相互情報量が得られることが明らかになった。なお、より一般的な符号化を施した量子信号の相互情報量を最大にする研究は未解決であり、今後、検討していく予定である。 また、上述の研究成果を応用することにより、光通信系における光の量子性を利用した新しい暗号方式である量子暗号鍵配送方式の安全性の解析を行った。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)