群ロボットの集団運動における相転移と通信によらない大域的秩序形成
Project/Area Number |
08750476
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
System engineering
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
湯浅 秀男 名古屋大学, 工学部, 講師 (10191470)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 群ロボット / 自己組織化 / 自律移動ロボット / 相転移 / パターン形成 / 自律分散 / 液晶 |
Research Abstract |
群ロボット系における集団運動の制御機構として,高度な通信機能を用いない自己のセンサ情報のみによる協調動作を実現させる方法について研究した.実際,自然界での自己組織化現象(ベナ-ル対流,ベロ-ソフ・ジャボチンスキー反応などにおけるパターン形成)では,挙動単位の分子は通信など行わずに動いているにも関わらず,系全体は状況に応じてふさわしく大域的な秩序パターンを自己組織する.その現象を参考にして自律移動ロボット群の挙動を考察し,自己のセンサによる局所的な情報のみによる系全体としての協調動作原理を一部解明した. ベナ-ル対流におけるパターン形成の場合,系全体に同一方向から働く重力が必要であるため,完全に局所情報のみによる自己組織化とは言いがたい.そこで,ネマティック液晶における配向の相転移を参考に自律移動ロボットの挙動原理を考案した.液晶における相転移は,液晶分子の細長い形状により起こる.簡単に言えば,分子どうしの衝突頻度がある程度以上になると,衝突の異方性から分子どうしの向きがそろい配向の自由度が失われる相転移がおこる.このような相転移は,系全体を秩序化しようとする“力"と,無秩序化しようとする“力"とのせめぎあいから起こると考えた. 自律移動ロボットにこの考え方を応用し,局所的なセンシングに従う挙動のみから大域的な秩序形成が可能であることを示した.衝突により配向する移動アルゴリズムと,無衝突時に配向する移動アルゴリズムのどちらでも,密度により秩序状態と無秩序状態との間を変化することを明らかにした.
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)