Project/Area Number |
08750495
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
計測・制御工学
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小野 雄 東北大学, 工学部, 助手 (70271880)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 精密移動機械 / 移動特性 / 平面超音波 / 直線集束ビーム超音波顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究は、超高周波平面超音波を用いた精密移動機械の超高分解能特性評価法の開発を目指して行った。本方法は水中を伝搬する音波の波長を基準として、移動機械に設置した反射体からの反射波の位相変化を測定することにより、その位相特性を評価する。このため、その高分解能化においては超音波周波数の高周波化が必要となる。また、水中の音速が温度依存性をもつために温度環境の安定化と共に、温度の高精度測定が重要となる。そこで、超音波周波数の高周波化と温度測定の高精度化に重点をおいて研究を進めた。以下に概要を示す。 カプラとして用いる水の温度測定には熱電対を用いる。その際、カプラ内の温度分布のために温度の測定位置と音波の伝搬領域の間に温度差が生じ、測定誤差となる。そこで、測定部周辺を閉空間にすることによりカプラの蒸発を抑制し、カプラ温度の安定性および温度測定精度を向上することができた。次に超音波周波数を500MHzに高周波化した。周波数500MHzの場合、本測定システムで用いられているパルスモード測定システムの位相測定分解能を0.4°とすると、移動特性の測定分解能は2nm以下となる。 本方法を、直線集束ビーム(LFB)超音波顕微鏡で用いられている垂直ステージ移動特性評価に適用した。その結果、レーザー干渉測長器(分解能10nm)による測定からは判らなかった、ステージ駆動モータの減速に用いられているハ-モニックギヤに起因する、周期的な移動誤差を明確に捉えることができた。LFB超音波顕微鏡の高精度化においては、測定精度と密接に関連する機械走査部の移動特性を、高精度に把握することが極めて重要である。機械ステージの移動特性は負荷や移動速度などの使用条件により異なるため、高精度評価のためには実際の使用条件と同条件で速度を行う必要がある。本方法は、そのための有用な手段になると考える。
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