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¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
現在,画像処理には濃淡画像およびRGBカラー画像が主に用いられている.しかし,実際の光学現象はスペクトル分布を持ち,濃淡画像やRGBカラー画像ではその細かな変化を捉えることはできない.例えば,物体の色,光源などの条件によって本来違う色の物体でも同じ色に見えることがある.このような現象を条件等色というが,このようなシーンに対しては濃淡画像,カラー画像では物体の違いを識別することができない. そこで我々は画素ごとにスペクトル分布を持つスペクトル画像を提案し,これまでの画像では認識することができなかった微妙な差異を基に,物体認識への応用などを行った.本研究では質感に着目し,シーン中の物体の質感の認識を行う.具体的には,物体表面での反射特性の違いを基に,金属,光沢のある非金属,光沢のない非金属の3種類に分類する.まず,得られたスペクトル画像を縦横画素ごとに相関をとり,その相関値をもとに領域分割を行う.その結果得られた各領域ごとに主成分分析を行い,その結果得られた主成分数と各領域での最大輝度値をもとに質感判別を行った.次に,相互反射をモデル化し,主成分分析によって得られた物体色をもとに相互反射領域の検出を行った.これらの実験の結果,本手法が有効であることが分かった.さらに,それぞれの物体の持つ微妙なスペクトル分布の差から,同じ質感の物体でも同じ材質のものかどうかの判別も行った.実験には,赤色の金属光沢を持つフィルム,赤色の綿の布とフェルト,2種類のプラスチックを用い,それぞれ3種類の質感に判別が行えた.また,綿とフェルト,2種類のプラスチックにおいても,物体色のわずかな違いから判別ができることが分かった.
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