Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Research Abstract |
本研究で考える,混合ノルム最適制御問題とは,多様化・複雑化する制御仕様をより的確に表現する多目的制御問題であり,一般にあるノルム制約の条件下で別の異なるノルム評価関数を最適化する問題として表される.一般的に,この混合ノルム最適制御問題は凸最適化問題とはならず,双線形最適化問題として定式化されることが知られており,その最適化手法を開発することが本研究の目的である.しかし,双線形最適化問題の大域的な最適値を求める手法は確立しておらず,一般的には局所最適値を求めることが限界である.そこで,ある種の混合H2/H∞ノルム最適制御問題が凸最適化問題として定式化できるように,問題の構造をうまく利用する形で混合ノルム最適制御問題から派生する双線形最適化問題の最適化手法を開発することを目指した. 結論的には,本研究期間中ではこのような方法を開発するに至らなかったが,問題へのアプローチ法のヒントを得ることができた.そのヒントとは,いままで特に意識はされていなかったようであるが,これまでもある特殊な双線形最適化問題は大域的最適解を求める方法があるということである.それらは,線形行列不等式最適化問題における一般化固有値問題の解法や,線形計画法あるいは半正定値計画法における主双対内点法である.前者は,双線形部に含まれる変数がスカラーであるという特殊な形をしており,そのスカラー変数に関する二分法を行う各ステップで一つの凸最適化問題を解けば,大域的な最適解が求まるという特殊な構造をしている.また,後者では,双対定理から導かれる最適性条件が双線形最適化問題となっており,その問題の最適解がニュートン法を用いて求まることが知られている.これらを考えると,双線形最適化問題にもある種のクラス分けが可能なはずであり,そのなかで,双対定理から導かれる双線形最適化問題のクラスを明らかにすることが最も有望であると思われる.現在はこの点も含め,混合ノルム最適制御問題から派生する双線形最適化問題と双対定理とをうまく結び付ける可能性はないかなどを課題として研究を継続している.
|