Project/Area Number |
08750578
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
構造工学・地震工学
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
呉 智深 茨城大学, 工学部, 助教授 (00223438)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 被災鋼製構造物 / 脆性亀裂破壊 / 動的応力拡大係数 / 脆性化破壊メカニズム / ひずみ速度効果 / 有限要素解析 / 破壊規準 / 降伏域 |
Research Abstract |
兵庫県南部地震による鋼製橋脚などの脆性亀裂破壊は関係者に大きなショックを与えていた。その原因については地震入力、歪み速度、拘束応力、低温環境、寸法効果などの複合効果と推測されている。しかし、具体的な解明は動的クラック成長特性を定量的に算定すること、特に近年の実験観察で分かったクラックの発生と拘束における靱性的欠陥より脆性的劈開への転化現象を解明するのが鍵である。また、RC橋脚に対するせん断破壊および圧接継手の破断を生じる原因も大きな衝撃力を受ける物体内のクラックや微小欠陥の高速破壊過程と全体構造物の脆・靱性メカニズムの変化に関係している。そこで、本研究では以上で議論された問題の定式化を一つ一つ行い、動的弾-粘塑性クラック成長の破壊基準及び有限要素数値計算モデルを提案した。 具体的には、1.activation energy理論およびsolidification理論によって、コンクリートなどの複合材料の破壊進行過程におけるひずみ速度効果、および寸法効果を表現する解析モデルを適用し、クラック成長過程の非線形効果を算定する手法を提案した。また、筆者らが開発した不連続有限要素解析手法を用いて、静的および既往の弾塑性動的破壊力学手法による被災された不連続箇所を有するRC橋脚のクラック進展解析を行い、寸法効果則の検討、脆性化破壊メカニズムの解明を試みた。 2.鋼製橋脚の場合、塑性ひずみ速度はPerzynaによって一般化されたpower law viscous overstress modelで表現され、動的弾-粘塑性クラック成長の破壊基準として亀裂先端の微小特徴長さにおける等価塑性歪みのクリティカル値等価を仮定することによって、動的環境における応力拡大係数の算定手法を実用化レベルまで発展した。さらに一般化仮想仕事原理に基づき、不連続変位場を有する大規模数値解析用の動的有限要素数値計算モデルの提案に成功している。今後これらの手法を用いて、さまざまな入力(動的負荷、拘束条件)を考慮した被災構造物の大規模有限要素解析を行うことによって、被災原因を定量的に解明できると思われる。 これらの研究成果は関係の学術講演会において一部公開するとともに学会誌や国際会議に投稿する準備をしている。以上によって本研究課題の研究目的を十分に果たしたと思われる。なお、クラック先端近傍の温度場上昇が亀裂進展破壊にも関係している問題は今後の研究課題であると考えられる。
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