Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Research Abstract |
自然界における水表面を通した気体輸送過程を規定する素過程のうち,水滴の水表面衝突および気泡の水表面での破裂は非常に重要な要素である。しかも,それらは互いに密接に関連して生じる現象である。例えば,海洋において荒天時に生じた砕破は水中に大量の気泡を取り込み(white cap等),その気泡は水表面で破裂し,大気中に多量の水滴を放出する。放出された水滴のうち,微細なものは大気中に拡散され,大きいサイズの水滴は再び水表面に衝突し,気泡を生じる。本研究ではそれらの相互作用に着目し,基礎的なメカニズムを明らかにするため,可視化技術により現象の観察を行うことを目的とした。 今回は特に液体の表面張力,動粘性を変化させたときに,気泡の崩壊,水滴の発生および水面での水滴の衝突,気泡の取り込みの観察を行った。作業液体としてエタノール水溶液を用いた。エタノール水溶液では濃度が10%と95%のとき,動粘性が0.022cm^2/sec程度とほぼ同じ値となり,表面張力は56.3dyn/cmと25.6dyn/cmとなる。表面張力のみを変化させて実験を行うことができる。また,エタノール水溶液40%と95%では,表面張力30dyn/cm程度とほぼ同じ値となり,動粘性は0.045cm^2/secと0.022cm^2/secと動粘性のみを変化させて実験することもできる。 結果の1例として,崩壊速度スケール(気泡の直径/崩壊にかかる時間と定義)の平均値は,表面張力が小さくなるにつれて大きくなり,動粘性が大きくなるにつれて大きくなる。ただし,崩壊パターンには種々のものがあり,他の要素(崩壊時の気泡の膜厚,膜の振動状態等)が大きく影響しており,ばらつきが大きくなった。その他,崩壊現象に関する詳細な観察を行った。
|