パネル調査の磨耗現象に着目したサンプルの母集団代表性を考慮した選択モデルの構築
Project/Area Number |
08750645
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
交通工学・国土計画
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐々木 邦明 名古屋大学, 工学部, 助手 (30242837)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | パネル分析 / パネルアトリション / 母集団代表性 / 非集計行動モデル / 系列相関 / 層別抽出 |
Research Abstract |
本年度の標題に基づいて行った研究の概略は,新規に提案したモデルの従来型のモデルへの統合であった新規に提案したのはパネルサンプルの消耗現象を記述するパネル滞留モデルで,もう一つの従来からのモデルは個人の非観測異質性や系統的誤差を表す系列相関モデルである. 本研究で構築したパネル滞留モデルの特徴は,これまでのパネルサンプルの消耗を考慮したモデルが,パネル調査を開始した時点からの消耗を取り扱っていたのに比べ,従来は調査論的・実践的アプローチしか存在しなかった無回答バイアスについて,パネル消耗と同様の行動原理を仮定することによって,モデル化することができ,事前消耗層と定義した調査に対する非協力層を含めた母集団代表性を考慮したモデル構築を可能にしたことである.このことによって真の母集団代表性を,補完調査を行うことなく推定することが可能になった.また,系列相関モデルを統合することで,パネルサンプルを用いて推定したモデルに生じるパラメータのバイアスを除去することが可能になり,より精緻なモデルの構築を可能にしている. この統合モデルを用いて,甲府でとられたパネル調査データの買物目的地選択行動を分析対象にして事例研究を行った結果,選択モデルのパラメータはそれほど変化が生じなかった.これは用いたパネルデータのサンプル数が少ないため,パネル消耗に影響を与える変数を増加させると,各パラメータの有意性が低下するというモデルシステム上の問題が発生したことによるものと,用いたパネルのWAVE数が3と少ないことによるものが大きいと考えられている.今後,これらの問題を解決するためにも,WAVE数を増加させて分析を行うことと,配布数を情報として用いないことによるフィットの低下を解決する必要があることが判明した.
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)