Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
海上空港はその特性上,既存空港と比較すると周辺の消防・救急機能から距離が離れているため,航空機事故に対して新たな対策が必要である.そこで本研究では,海上空港として供用中の関西国際空港および構想中の中部新国際空港を,市街地空港として現名古屋空港を取り上げ,これらの周辺地域における消防・救急機能の発展状況を調査した後,航空機事故発生時の負傷者搬送シミュレーションシステムを構築し,円滑な搬送活動を行うための対策案を行った.以下その内容について述べる. まずはじめに,航空機事故発生時の負傷者搬送に関する現状を把握するため,中華航空墜落炎上事故時の救出活動について事故報告書などから検証し,緊急時に備えるべき消防・救急機能および周辺地域の交通計画について検討した.続いて,ICAOマニュアルをもとに臨空防災地域および消防・救急機能を定義し,上記3空港の周辺地域における消防・救急機能の展開状況を調査し,海上空港は必然的に消防・救急機能から離れていることを明らかにした.そして,ガル-ダ・インドネシア航空機火災における救急活動データをもとに負傷者の発生状況,空港-医療施設間の搬送時間,および医療施設での留置き時間などを予測し,これらを負傷者搬送シミュレーションにおけるパラメータとして扱うことにした.次に,ガル-ダ・インドネシア航空機火災再度の事故とICAOが想定している最大規模の事故を対象にシミュレーションを行ったところ,中部新国際空港では搬送力不足から多くの負傷者を事故現場に留置く可能性があることを指摘した.そこで,救急医療ヘリコプター実用化実験データをもとにヘリコプターによる救出活動や広域的な応援協定を考慮し,再度シミュレーションを行った結果,その効果が明らかとなり,中部新国際空港ではこのような対策が必要となることを提言した.
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