Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
以下の3項目について研究を実施した。 (1)既往の簡易計算方法のレビュー:既往の方法15種類について全般的なレビューを行い,そのうち国際的に知られている計算方法5種類(ASHRAE Fundamentalsの方法,Mitalasの方法,CEN/ISO Draft (Anderson)の方法,KrartiのIPTE法,AkridgeのDAGT法)のコンピュータプログラムを作成し,予測結果を相互に比較し,それぞれの長所・短所を調べた。その結果,一番多くの長所を備えた方法がMitalasの方法であること,但し,この方法には実際の計算対象に近い条件を大量の一覧表から抽出しなければならない繁雑さと近似上の問題点があることを明らかにした.この点の改善を新しい簡易計算法の開発の目標に定めた。 (2)試験家屋を用いた暖房実験:2室系試験家屋に熱流センサーを追加設置し,試験室の温度が20℃前後となるように制御した状態で,暖房用エネルギー消費量,壁面からの熱損失量等を実測した。測定開始は96年11月初旬で,現在も継続中である。少なくとも今後2暖房シ-ズンは同一条件で実測を継続し,信頼性が高く詳細な検証用データを得る計画である。 (3)熱損失の簡易予測計算法の開発:土壌の熱物性値,地下室の形状,壁体断熱仕様をパラメトリックに変化させた熱損失の2次元/3次元FEM計算を総計276通り行い,得られた結果をLevenberg-Marquardt法によって回帰分析して算定式を誘導した。式は(1)地下室壁部分,(2)床外周部分,(3)床中央部分に区別され,それぞれ,地下室の寸法,土壌の熱伝導率,断熱材の熱抵抗の関数で表現される。この式によれば,(1)に述べたMitalasの方法による結果を上回る精度で予測が可能であることを既往の検証用データを用いて確認した。今後,(2)のデータによる検証を行い,算定式をリファインする予定である。
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