集合住宅の長期間の環境形成過程で生じた認識・規範の構造化の試み
Project/Area Number |
08750719
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Town planning/Architectural planning
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
花里 俊廣 筑波大学, 芸術学系, 講師 (00257172)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 環境認知 / 集合住宅 / 行動マッピング / 環境形成 |
Research Abstract |
この研究の目的は、居住者によって住みこなされた集合住宅において、外部空間などの使われ方の認識と暗黙の規範が、その総体としてどのように構造化されているかを明らかにすることであった。暗黙の規範やモノに込められたメッセージは、管理規約のようには文章化されないものの、居住者のコミュニケーションの一形態であるといえ、住みこなしの上ではきわめて重要な意味を持つ。 集まって住むことによって生まれる暗黙の了解事項や行動の規範は、多様な居住者に個別に対応した認識であり、社会的に成熟した居住環境の基礎となるものである。こういったものは、さまざまな対人的要因や物理的要因がはたらいて居住環境が形成される。集合住宅では環境形成に関わる主体もさまざまである。その総体がどのような体系を持ち、どのような構造になっているかを明らかにすることを目的とした。 調査の対象となった集合住宅は、大阪郊外にあるC団地である。ここで、住まい方調査を行い、サ-ヴェイ、行動観察、アンケート、インタビューなどを中心として、モノの表出・あふれ出しの分布、外部空間の人の居方の行動観察、住宅内外の視線によるつながり、近隣関係の形成などの項目のデータを集めた。特にインタビューでは、他の居住者との関係を、周辺への関心、居住者の認知度、近隣交際、自主的禁止事項、などを含めて多角的に聞くことによって、規範を抽出した。 分析においては、居住者相互の視線によるつながりに注目した。「見る」「見られる」の関係に注目し、居住者がどのようにお互いを認知しているかについての構造を明らかにし、さらに、平面図上に居住者相互の認知的関係を落とし込む作業も行い、これが空間的な構造の中にどのように位置づけられているかを明らかにした。 また、研究の成果については、ストックホルムで行われたIAPS14という国際学会において″Coping with Familiar Stranger Phenomenain Japanese Multiple Dwelling Houses″というタイトルで報告を行った。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)