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¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
準安定状態図の評価・確立を行うために,均一な試料(ジルコニア固溶体・ハフニア固溶体)をアーク溶解法あるいは錯体重合法により合成した.この均一な試料をX線回折・ラマン散乱等で評価し,正方相の軸率c/aが1であるにもかかわらず,酸素が変位しているために対称性が正方晶系になっているt"の存在を強く示唆することに成功した.また,クエン酸ゲルを利用することによりジルコニアーカルシア系のt'相を始めて様々な組成範囲で合成することに成功した.共沈法や酢酸ゲル法と比較してこの新手法(クエン酸ゲル法)が均一な試料を合成するに当たり極めて有効であることをラマン散乱を用いて明らかにした.不純物を検出する場合,ラマン散乱はX線回折と異なり結晶性が悪くX線ピークがブロードになりがちな試料に対しても有効であることを初めて示した.ZrO_2-UO_2,ZrO_2-CeO_2-LaO_<1.5>,ZrO_2-YO_<1.5>,ZrO_2-ErO_<1.5>,ZrO_2-ScO_<1.5>系において既往のデータの評価を行い,合理的な状態図を提案した.本課題で重要なのは,平衡状態図だけではなく,準安定相間の相転移温度を相図に書き込んだいわゆる準安定状態図を提案したことにある.さらに,データベース化を行うために,ZrO_2-UO_2系およびZrO_2-CeO_2-LaO_<1.5>系にたいして)格子の安定性パラメータの決定,正則溶体近似による2元系状態図の評価さらに3元系状態図の評価を行うことに成功した.以上の研究により先進材料の材料設計の基礎基盤を固め、そのモデル化に際し先導的な役割をはたすものと期待される。
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