パイロクロア型酸化物を母体とした固溶体のプロトン導電性に関する研究
Project/Area Number |
08750785
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic materials/Physical properties
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
志村 哲生 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 助手 (30273254)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 高温型プロトン導電体 / パイロクロア構造 / 電気化学的測定 / 水蒸気濃淡電池 / 電気化学的水素ポンプ / 酸化物燃料電池 / 極特性 / カレントインタラプション法 |
Research Abstract |
新たな高温プロトン導電体の探索を目的とし、パイロクロア構造酸化物Ln_2Zr_2O_7(Ln=La、Nd、Sm、Er、Gd)を母体とする酸化物固溶体、Ln_2Zr_<2-x>Y_xO_<7-α>の合成と、電気化学的手法によるその物性評価を行った。 X線回析より、これらの酸化物は、0<x<0.5の範囲で、単相であることが確認された。その導電率は、Ln=Laの場合、0<x<0.1の領域ではxの増加とともに大きく上昇し、0.1<xではxによらずほぼ一定であった。導電率は、Lx=Smのとき最高となり、その値は、1000℃、水素中において7×10^<-3>であった。プロトン導電性の有無を検討するため、これらの酸化物を隔壁に用いた水素ガス濃淡電池を構成し、その起電力を測定した結果、Nernstの式から導かれる理論値と実測値に一致が見られた。また、その電池において、一方を1気圧水素、他方を乾燥アルゴン雰囲気とし、水素側からアルゴン側に直流を通電し、アルゴン側に発生する水素量をガスクロマトグラフィーで定量した結果、電流値から計算される水素発生量と等しい量の水素の発生が見られた。これらの結果から、水素中において、パイロクロア酸化物Ln_2Zr_<2-x>Y_xO_<7-α>は、輸率が1であるプロトン導電体であることが明らかになった。 La_2Zr_<-x>Y_xO_<7-α>は、イットリウム安定化ジルコニアを用いた酸化物燃料電池において、電解質と空気極La_<1-x>Sr_xMnO_3の界面に生成し、電極の過電圧を増加させ、電池性能を低下させる可能性があると指摘されている物質でもある。ここでは、燃料電池動作時のLa_2Zr_<2-x>Y_xO_<7-α>上での電極挙動を検討するため、これを固体電解質として用いた燃料電池を構成し、そのときの電極挙動をカレントインタラプション法により検討した。その結果、La_2Zr_<2-x>Y_xO_<7-α>が生成した場合、それ自身の抵抗による電圧降下以上に、La_22r_<2-x>Y_xO_<7-α>上での電極の過電圧の増大によって、燃料電池性能を低下させている事が明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
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