Project/Area Number |
08750819
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Structural/Functional materials
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
蔦岡 孝則 広島大学, 学校教育学部, 講師 (10231432)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1996: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | フェライト / 複合材料 / 複素透磁率 / ハイブリッド |
Research Abstract |
絶縁体、半導体、及び金属磁性体であるNi-Znフェライト、Mn-Znフェライト、及びパ-マロイと樹脂との複合材料の高周波透磁率について検討を行った。 Ni-Znフェライトは数MHz付近から透磁率の周波数分散が生じるが、複素透磁率の実数部は100MHz付近まで残っており周波数依存性は磁壁共鳴とスピン共鳴との重ね合わせで記述でる。そして複合化することにより透磁率の絶対値は減少するが、透磁率の分散周波数が100MHz〜1GHzの領域にシフトすることにより高周波透磁率は焼結体よりも大きくなる。一方、半導体であるMn-Znフェライトでは、数MHzから分散が始まり透磁率の実数部が急激に減少する。これはMn-Znフェライトは室温では導電性が高いため渦電流による損失のため透磁率が低周波で急激に減少するためである。このことは、Mn-Znフェライトを複合化することにより実効的な導電率の低下させる、あるいは、焼結体を低温にして抵抗率を増加させることにより、複素透磁率が高周波までのびることを確かめる実験により明らかにされた。また、導電率を低下させたときの周波数分散は、絶縁体フェライトに見られる緩和型の磁気共鳴の特性を持つこともわかった。さらに、金属磁性体であるパ-マロイの透磁率は数kHzから分散を起こして急激に減少するが、複合化する事により数10MHzまで分散周波数が延びる。このとき透磁率の実数部としては10〜20の値が得られる。パ-マロイ複合材料の透磁率の分散特性はフェライト複合材とは異なり、透磁率の虚数部が100MHz付近までテ-ルを引く。この分散機構は現在検討中であり今後明らかにしていく予定である。 これらの複合材料をハイブリッド化したハイブリッド複合材料の高周波透磁率は、 1.フェライト同士(Mn-ZnとNi-Zn)の複合材料では、100〜1000MHzでの透磁率の変化は複合化した2つの特性の重ね合わせであるが、低周波では、Mn-Znフェライト等の高透磁率特性により大きな透磁率を持ち、高周波では複合化により焼結体よりも大きな透磁率を実現することが可能である。 2.フェライトとパ-マロイのハイブリッド複合材では、料では、10〜100MHzに透磁率の分散域が見られ、分散曲線はパ-マロイ複合材の特性を反映してフェライト複合材のものとは異なる。透磁率の大きさはフェライト複合材の場合とほぼ同じ程度である。
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