Project/Area Number |
08750879
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
反応・分離工学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 猛央 東京大学, 工学系研究科, 助手 (30272363)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 膜分離 / 有機溶媒分離 / キャリア輸送 / 銀錯体 / 蒸気透過 |
Research Abstract |
本研究では、銀ソルトをキャリアとする促進輸送膜の透過機構を検討し、そのベンゼン/シクロヘキサンの蒸気透過法による分離特性を評価した。銀ソルトをナフィオン粒子と共に担持したソルト薄膜を多孔性テフロン基材上に作製した。また、銀イオンで交換したナフィオンイオン交換膜とソルト膜の透過性を比較検討した。ソルトキャリア膜の透過機構としては、キャリア自体が膜中を拡散するモ-ビルキャリア機構とキャリアは移動せずベンゼンがキャリアと反応しながらホッピングして拡散する固定キャリア機構の2通りが考えられた。銀イオンの移動度と促進輸送性能を評価し、キャリアの移動が促進輸送に影響を与えているか検討した。 ソルトキャリア膜、ナフィオンイオン交換膜それぞれの銀イオン移動度の湿度依存性を、インピーダンスアナライザーにより測定した。また、ベンゼン透過性の湿度依存性を測定した。銀イオン移動度およびベンゼン透過性に対する湿度の依存性はよく一致し、イオンの移動によって促進輸送効果が発現していることが分かった。つまり、キャリアがベンゼンと反応した後に、キャリアごとコンプレックスが膜中を移動するモ-ビルキャリア機構であると考えられる。 それぞれの膜に対する湿度依存性は、ナフィオン膜の場合湿度が低い領域ではベンゼンの透過性が促進されないが、ソルト膜では低い湿度領域でも高いベンゼン選択透過性を示すことが分かった。実用的には、ソルト膜の方が有利になると考えられる。ソルト膜の場合、相対湿度30%以上で、ベンゼンのシクロヘキサンに対する選択性は300以上、フラックスは0.2kg/m^2h程度と極めて高い選択透過性を得ることができた。
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