Project/Area Number |
08750880
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
反応・分離工学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
霜垣 幸浩 東京大学, 工学系研究科, 講師 (60192613)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | ECR-RIBE / InP / 化合物半導体 |
Research Abstract |
近年ますます重要性が増しつつある光通信を高度化するためには、赤外光領域で動作する半導体レーザー等の光デバイスの高性能化が必須である。このためには、InGaAsP系混晶の微細加工技術を確立する必要がある。そこで、本研究では、GaAsに比べてドライエッチングが困難であるInPのドライエッチングプロセスの解析を行った。 エッチングガスとしては、Inと化合物を生成した際の蒸気圧が比較的高いガスとして、CH_4を用いた。他に、CH_4の反応性を高めることとプラズマを安定させることをねらい、H_2およびArを添加した。条件を最適化しない状態では、InP結晶中のPが添加したH_2と容易に反応してPH_3を生じInに対して選択的にエッチングされるため、平滑なエッチング底面を得られないことが問題となった。Inのエッチング速度をPと同等に高めるためには、CH_4から生じるCH_3ラジカルによってInを有機金属化合物の形で基板から除去することが有効であると考えられたため、CH_4の添加量を増加させていったところ、炭素を含むポリマーが基板上に堆積し、エッチングが進行しなくなった。したがって、ポリマーが堆積しない範囲でCH_4の添加量を増やすことが重要である。 また、プラズマの励起源であるマイクロ波の出力を上げすぎると、H_2によるPの選択的除去が進む一方で、CH_4のプラズマ中での解離が進行しすギてCH_3ラジカルが生成しなくなるため、Inの残留が顕著になることが判明した。さらに、基板ホルダーにマイクロ波とは独立に印加する高周波の出力を上げると、基板に入射するイオンのエネルギーが増大して基板表面の反応が促進されることにより、CH_3ラジカルによるInの除去が進み平滑なエッチング底面が得られることがわかった。 以上に述べたプロセスパラメーターのエッチング特性に関する効果を考慮してガス組成、マイクロ波出力、圧力、高周波出力等を最適化することにより、望ましいInPのエッチング特性を実現できることが判明した。今後、本研究により得られた定性的な観察結果をシミュレーション等を活用しながら定量的に発展させていくことで、InGaAsPのドライエッチングプロセスの最適化のための指針が得られると考えられる。
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