Project/Area Number |
08750898
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
触媒・化学プロセス
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
松田 剛 北見工業大学, 工学部, 助教授 (10199804)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 銅 / 超微粒子 / アルカリアルコキシド / メタノール / 一酸化炭素 / 水素 / 液相反応 |
Research Abstract |
メタノールは化学工業の原料として幅広く利用されているが、今後自動車燃料やMTBEの原料として需要が増加すると考えられている。現在の工業プロセスでは十分な反応速度を得るために、250〜300℃という熱力学的に不利な条件で反応が行われている。50atm、100℃での合成ガスのメタノールへの平衡転化率はほぼ100%で、この条件で高活性を示す触媒が開発されれば、従来のプロセスでは不可欠なリサイクル工程や分離工程を省略でき、エネルギー消費の大幅な低減が可能となる。そこで本研究では、高活性で取扱が容易な低温液相メタノール合成触媒の設計に必要な基礎的な知見を得ることを目的として、銅とアルカリアルコキシドを組み合わせた触媒系の作用機構について検討した。 水素化ホウ素ナトリウムを用いて液相還元法で調製した銅超微粒子とナトリウムメトキシドをTHF溶媒に懸濁させた触媒は50atm、100℃の条件で液相メタノール合成に高い活性を示した。従来のメタノール合成触媒であるクロム酸銅や銅-亜鉛とナトリウムメトキシドを組み合わせた触媒系も活性を示したが、銅超微粒子よりは低活性であった。これは、表面積が大で細孔をもたない銅超微粒子触媒では物質移動の影響が小さいためと考えられる。ナトリウムメトキシドと組み合わせた本反応系では銅単独でも高いメタノール合成活性を示すことが明らかとなった。反応初期にギ酸メチルが生成すること、また、反応初期には一酸化炭素のみが消費され、その後水素が消費されることから、本触媒系ではナトリウムメトキシドがメタノールのカルボニル化触媒として、銅超微粒子がギ酸メチルの水素化分解触媒として作用していると考察した。種々の第2成分を添加した銅系超微粒子触媒のメタノール合成活性を比較したところ、銅単独の超微粒子触媒が最も活性が高いことが示された。
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