Project/Area Number |
08750900
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
触媒・化学プロセス
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
久保 百司 東北大学, 工学部, 助手 (90241538)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 合成過程 / 触媒 / 分子シミュレーション / ZSM-5 / 脱水重縮合 / 結晶成長 / 表面改質 / Si (OH)_4 |
Research Abstract |
従来、触媒材料に対する計算化学の対象は主に触媒反応機構、吸着過程、拡散過程などの解明に向けられ、触媒開発にとって最も重要な触媒の結晶成長過程や表面改質反応の解明を目的としたシミュレーションはほとんど行われて来なかった。そこで、本研究ではゼオライト触媒の結晶成長過程、表面改質反応をシミュレーションすることが可能な新しい分子動力学計算プログラムを開発し、ZSM-5表面のCVDによる表面改質反応について検討を行った。具体的には、解離を考慮した3体ポテンシャルを任意の原子間に導入することにより、ゼオライト表面のSi-OH基が脱水重縮合してSi-O-Si結合が生成する過程のシミュレーションができるようにプログラムを作成した。 ここでは、12個のSi (OH)_4分子を、ZSM-5 (010)面上に配置し、50000ステップの計算を行った場合の結果について説明する。50000ステップ後の計算結果では、ZSM-5表面の上方に数多くのH_2O分子が蒸発している様子が確認できた。これは、表面Si-OHとSi (OH)_4分子、あるいはSi (OH)_4分子同士に脱水重縮合が起こり、H_2O分子が生成したことを意味する。さらに、ZSM-5 (010)面上に新たなSi-O-Si結合が多数生成していることが確認でき、本プログラムの有効性が明らかになった。 本研究にて、Si-OH基からの脱水重縮合によるゼオライトの結晶成長、表面改質過程をシミュレーションすることが可能なプログラムが完成したことにより、テンプレート効果の解明、新しい骨格構造をもつゼオライトの予測、様々な触媒の合成過程の解明、などを可能とする新しい分野がひらけたものと考える。
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