Project/Area Number |
08750922
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
生物・生体工学
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
黒澤 尋 山梨大学, 工学部, 助教授 (10225295)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1996: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 耐酸性 / ATPase / Thiobacillus / 乳酸菌 |
Research Abstract |
中性pH域を至適とする生体反応を強酸性下で行うことが可能な「生体模擬システム」が構築できれば、低pHであるがゆえに不可能とされていた生体反応がpH調節を行うことなく可能になると考えられる。それを実現するためには、生体の耐酸性のメカニズムを理解する必要がある。本研究では、細菌の耐酸性に関与していると考えられる酵素H^+-ATPaseの性質を明らかにするために、Thiobacillus thiooxidans及び乳酸菌を材料として検討し、さらにATPase活性の強化を試みた。 1.H^+-ATPaseの酵素化学的性質 T.thiooxidans及び乳酸菌(Lactobacillus acidophilus,Lactobacillus bulgaricus)のATPaseはいづれもF_1F_0タイプであった。T.thiooxidansのATPaseは反応最適pHが8.0で、その活性は亜硫酸イオン(SO_3^<2->)によって特異的に活性化された。乳酸菌のATPaseの反応最適pHは6.0で、SO_3^<2->の影響は認められなかった。L.acidophilusのATPase活性はL.bulgaricusよりも高く、このことは耐酸性の高さとも一致していた。 2.H^+-ATPase活性の強化 細胞の耐酸性を高めるために、ATPase活性を人為的に強化することを試みた。乳酸菌をデカン酸存在下で培養すると、ATPaseの比活性が高まることが明らかになった。このとき細胞膜の脂質組成も変化していた。乳酸菌の膜画分を調製し、ここにオレイン酸やリノール酸などの不飽和脂肪酸を添加すると、ATPase活性が高くなることを見いだした。 今後は、ATPase活性を強化した乳酸菌の耐酸性の評価を行い、さらにこのATPaseを利用した生体模擬システムの構築を目指した研究を行う。
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