Project/Area Number |
08750923
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
生物・生体工学
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
三宅 克英 名古屋大学, 工学部, 助手 (90252254)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | GDP-フコース / フコース転移酵素 / Escherichia coli K-12 |
Research Abstract |
シアリルLe^a型、Le^x型糖鎖を多価の側鎖として有する多糖をStreptococcus agalactiaeに生産させるためにはこの菌本来の多糖にフコースを付加するだけである。このためこの菌にフコース転移酵素及びその基質であるGDP-フコース合成系の遺伝子を導入する必要がある。GDP-フコース合成系の遺伝子は大腸菌K-12株にのみ存在が知られており、今回はこの遺伝子をクローン化することに成功した。GDP-フコースはGDP-マノン-スからGDP-マンノースデヒドラターゼ、GDP-4デヒドロ-6-デオキシマンノースレダクターゼの2段階の反応を経て合成される。我々はGDP-マンノースデヒドラターゼ遺伝子gmdの一部をPCRで増幅し、これをプローブとてコロニーハイブリダイゼーションの手法により、E.coliK12株のクロモソームDNAからgmd及びその下流領域を含む3.5kbのBamHI DNA断片を取得した。この領域にはStevensonらの報告によるとwcaG,wcaH,wcaIの遺伝子が含まれており、wcaGとHはGDP-4-デヒドロ-6-デオキシマンノースのGDP-フコースへの変換に関わっていると推測されている。これにより、gmd,wcaG,wcaHの遺伝子をS.agalactiaeへ導入し、発現させれば、フコシルトランスフェラーゼの基質である。GDP-フコースの供給の問題は解決されるはずである。一方フコシルトランスフェラーゼであるが、動物由来のものはすでに取得済であり、その大腸菌での発現は現在検討中である。また今回取得した遺伝子のうちのwcaIはその配列から糖転移酵素である可能性が示唆されており、GDP-フコース合成遺伝子群に隣接していることもあわせて考えると、フコース転移酵素である可能性が極めて強い、微生物での発現能を考えるこちらの方が動物由来のものより有利であることも考えられるので、今後この酵素の活性及び基質特異性(ルイス糖鎖を合成できるか)についても研究を進めていく予定である。
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