Project/Area Number |
08750951
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業物理化学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
稲葉 稔 京都大学, 工学研究科, 助手 (80243046)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | リチウム / 二次電池 / 正極 / 活物質 / インターカレーション / ラマン分光法 / コバルト酸リチウム / 負極 |
Research Abstract |
電気エネルギー貯蔵および電気自動車の駆動源として高ネルギー密度のリチウム二次電池の開発が切望されている。高エネルギー密度を有するリチウム二次電池の正極および負極材料として、LiCoO_2,LiNiO_2,及びその固溶体、LiMn_2O_4、Li_<4/3>Ti_<5/3>O_4などの含リチウム遷移金属酸化物が研究されているが、これらの材料への電気化学的リチウム挿入脱離反応機構はいまだ明らかになっていない部分が多い。本研究では、LiCoO_2,Li_<4/3>Ti_<5/3>O_4の2種類の含リチウム遷移金属酸化物を取り上げ、レーザーラマン分光法を用いてその電気化学的リチウム挿入脱離反応を解析することを目的とした。得られた結果は以下の通りである。 1.リチウム二次電池正極として既に実用化が進んでいるLiCoO_2を用いてそのリチウム脱離挿入に伴うラマンスペクトル変化を測定した。まずC軸配向した薄膜を用いてLiCoO_2のラマンバンドの同定を行い、AlgバンドとEgバンドであることを確かめた。また、充電反応に対応するリチウム脱離過程では、六方晶第一相、六方晶第2相の相変化に対応するスペクトル変化が確認された。また、リチウム脱離とともにラマンバンドのブロード化が確認され、結晶中に残されたリチウムが、結晶のリチウムサイトをランダムに占有していることが示された。 2.平坦で低い充放電電位を有するLi_<4/3>Ti_<5/3>O_4は将来の負極材料として期待されているが、リチウム挿入脱離に伴うエックス線パターンには変化が見られず、その反応機構が明らかになっていなかった。リチウム挿入脱離に伴うラマンスペクトル変化は明らかに第2相の出現を示し、その反応が2相共存で進行することが明らかになった。
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