Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Research Abstract |
申請時の計画通りに研究を遂行し,以下の点について明らかにした. 1.383Kで熱処理をした銀イオン交換ゼオライトにγ線を照射し,生成した常磁性銀種の挙動を電子スピン共鳴法(ESR)によって検討した.A型ゼオライトではAg_6^<n+>に帰属される金属クラスターが生成したのに対し,他のゼオライト(Y,モルデナイト,ZSM-5)ではAg_3^<2+>の生成は認められたもののAg_6^<n+>は観察されなかった.この結果から,Ag_6^<n+>の生成にはA型ゼオライトの構造的特異性が必要であることがわかった. 2.交換率が異なる銀イオン交換A型ゼオライト(Ag_xNa_<12-x>A)で上記1と同様な実験を行った.交換率が低い場合(x<0.1),Ag^0→Ag_2^+→Ag_3^<2+>のように銀クラスターイオンが温度増加とともに逐次的に生成した.一方,交換率が低い場合(X>0.4)には最初の熱処理時にAg_3^<2+>あるいはAg_6^<n+>が既に生成していることがわかった. 3.γ線を照射前にAg_<0.1>Na_<11.9>Aにアンモニア(NH_3)を吸着させるとこれまで報告されていない新しいESRシグナルが確認された.ND_3を用いた同位体実験,およびシミュレーションから生成したシグナルは[Ag-NH_3]^0錯体であると結論した.この錯体は160K以上の温度で消失するが,この場合には上記の示したような銀の複核クラスターイオンは生成しないことがわかった. 4.金属イオン交換モルデナイト中での常磁性NO_2分子の運動性について検討した結果,モルデナイト中のNO_2の分子運動はこれまで報告されている拡散モデルのみでは説明できず,ハイゼンベルグのスピン交換モデルとの併用によって説明できること,スピン交換速度はゼオライト中に交換された金属イオンのイオン半径と関係があることなどを見出した.
|