Project/Area Number |
08750960
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業物理化学
|
Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
石原 達巳 大分大学, 工学部, 助教授 (80184555)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 新規固体電解質 / LaGaO_3 / 酸素センサ / 低温作動 |
Research Abstract |
現在、排ガス中の酸素濃度のモニターのためにはY_2O_3安定化ZrO_2(YSZ)を用いた起電力式の酸素センサーが使われているが、その作動のためには600℃以上の高温が必要である。そこで、YSZより優れた酸素イオン伝導度を有する新規な固体電解質が開発できると低温でも動作する酸素センサが開発できる可能性がある。そこで、本研究ではLaGaO3という高酸素イオン伝導度を有する新規な固体電解質を用いて低温でも作動可能な酸素センサの開発を行った。Ptを電極とし、電解質としてLa_<1-X>Sr_XGa_<0.8>Mg_<0.2>O_3を用いたセンサで最も低温まで、酸素分圧に依存した起電力を示すX値を検証したところ、X=0.1,0.2が最も低温まで酸素分圧に依存した起電力を与えることがわかった。そこで、電極材料の影響を検討したところ、最低作動温度はPt>LaCoO_3>SmCoO_3>Agの順に低下することがわかった。そこで、低温作動型酸素センサとしてはAg電極が最も適することがわかった。このAgを電極とするセンサでは、酸素分圧に依存した起電力が300℃まで得られた。また、300℃での応答特性は約10分と長くなった。これに対し、LaサイトへのNdの添加は応答特性の向上に有効であった。Agを電極とし、(La_<0.9>Nd_<0.1>)_<0.9>Sr_<0.1>Ga_<0.8>Mg_<0.2>O_3の組成の酸化物を電解質としたセンサでは400℃まで、酸素分圧に依存した起電力が得られ、また、400℃での応答時間は1分以内であり、ほぼ同じ時間で元のレベルまで回復した。このセンサでは広い酸素分圧でほぼネルンスト式に従う起電力が得られるので、低温作動型のセンサとして期待された。また、この電解質の安定性については検討した。直流法で求めた伝導度は検討した60時間以内ではH_2,O_2,CO_2気流中ともに伝導度はほとんど変化せず、極めて安定であることがわかった。また、H2Oの影響についても検討したが、H_2Oの共存は起電力にほとんど影響を及ぼさないので、選択性も十分高いことがわかった。以上よりNdを添加したLaGaO_3を電解質とし、Agを電極とする酸素センサは低温作動型酸素センサとして優れた性能があることが明らかになった。
|