光電子移動反応を用いたカルボニル化合物のヒドリド還元触媒サイクルの構築
Project/Area Number |
08750961
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業物理化学
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤田 守文 姫路工業大学, 理学部, 助手 (00275314)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 光電子移動 / 逆電子移動 |
Research Abstract |
今年度、光電子移動反応を触媒的に促進させる、もしくは光電子移動反応を制御することを主眼におき研究を行ってきた。 その中で、まず、過塩素酸によって光電子移動反応を経由するヒドリド還元反応を制御できることを見出した。過塩素酸の添加によって、アルキルベンゼンによる10-メチルアクリジニウムイオンのヒドリド還元反応が、光電子移動反応を経由して進行するようになった。過塩素酸が存在しない場合は、アルキルベンゼンと10-メチルアクリジニウムイオンとの付加反応が進行する。反応の量子収率の基質濃度依存性および反応中間体の検出などから、光電子移動によって生成する10-メチルアクリジニルラジカルが過塩素酸によってプロトン化されることによってアルキルベンゼンの付加が抑制され、ヒドリド還元反応が効率よく進行することがわかった。 次に、光電子移動反応の効率を上げるために最も重要な課題の一つである逆電子移動過程の抑制について検討を行った。10-メチルアクリジニウムイオンと有機金属化合物との間の光電子移動反応においてビフェニルなどの電子移動メディエーターを添加することで、光付加反応の量子収率が飛躍的に向上することを見出した。これは電子移動メディエーターによって逆電子移動過程が制御されるためである。このとき電子移動メディエーターは電子を媒介するのみで反応せず、触媒的にサイクルする。 以上、光電子移動反応における反応様式および逆電子移動の制御を触媒的に働く第三成分の添加によって達成することができ、その反応機構も解明することができた。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)