Project/Area Number |
08750967
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業物理化学
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
山下 宏一 理化学研究所, 反応物理化学研究室, 先任研究員 (90174672)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | DNA / 光反応 / 膜 / 電子移動 |
Research Abstract |
分子素子における電子移動系の構築においては、構成分子を適当な位置に配置させ、電子移動の方向を制御することが重要であり、その分子工学的手法の開発が期待されている。本研究では、DNAの構造的な特徴を利用して電子移動反応の促進と方向制御を図ることを目的として、下記の事項を検討した。 1 二重らせんDNAによる光誘起電子移動反応の触媒効果(加速効果)を明らかにするとともに、DNA系における反応の解析手法を確立するため、DNAにインターカレーションまたは静電引力で結合する分子としてEthidium Bromideおよびルテニウム(II)錯体を用いた光誘起電子移動反応を発光寿命測定ならびに過度吸収測定により検討した。その結果、これら反応種がDNA上に濃縮されることによって著しい反応促進効果が得られることを見いだした。 2 DNA二重らせんに沿った電子移動を実現し、同時に塩基対のπ電子系の効果を検討するため、電子移動分子をリンクした化合物の合成を試みたが、光誘起電子移動反応の解析には至らなかった。 3 電子移動の方向制御を明確にし、DNAの分子素子への応用の可能性を検討するため、DNAを膜作成技術の応用により基板上に固定化するとともに、DNA膜への電子移動分子の固定化を試みた。その結果、ポリカチオンでコーティングした石英板上でのDNA膜の作製に成功し、さらに多価金属イオンとの組み合わせにより、20層以上の積層化が可能であった。また、これらのDNA積層膜への電子移動分子のインターカレーションによる固定化にも成功した。
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