新規不斉ホスフィン配位子の開発と触媒的不斉合成反応への応用
Project/Area Number |
08750995
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
林 実 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (20272403)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | アミノホスフィン / 不斉合成 / Grignardカップリング |
Research Abstract |
本年度の研究実施計画に従い,まず新規不斉アミノホスフィン配位子の合成に関する検討を行い,人工のキラル化合物であるエリトロー2-アミノ-1,2-ジフェニルエタノール(ADPE)を不斉原料としたアミノホスフィン配位子の合成経路を確立した。 N,N-ジメチルADPEに対して,温和な条件下に塩化メタンスルホニルを作用させた後,カリウムジフェニルホスフィドを加えることにより,対応するアミノホスフィン(ADPEP)が40%程度の全収率で得られた。また,他のN,N-ジアルキルADPEについても同様の反応で合成し,この合成経路の一般性を示した。一方,ADPEP誘導体のX線結晶構造解析を行い,ADPEPがエリトロ体であることを確認し,置換反応がアミノ基の隣接基関与により完全に立体保持で進行していることを明らかにした。 次に,ADPEPの触媒的不斉合成反応への適用を試みた。 まずはじめに,ADPEP-ロジウム触媒を用いたケトンの不斉ヒドロシリル化反応について種々の条件を検討を行った。その結果,反応は円滑に進行するものの,得られたアルコールの不斉収率は最高31%eeであり,残念ながら満足のいくものではなかった。そこで次に,ADPEP-ニッケル触媒を用いた不斉Grignardカップリング反応について検討を行った。その結果,臭化フェニルエチルマグネシウムを臭化ビニルのカップリング反応については最高71%ee,またβ-臭化スチレンとのカップリング反応については94%eeという高い不斉収率を達成することができた。 これらの結果から,本研究において合成した新規不斉アミノホスフィン配位子ADPEPは,触媒的不斉合成反応への応用が充分に可能であることがわかった。
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Report
(1 results)
Research Products
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