Project/Area Number |
08750996
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
土井 隆行 東京工業大学, 工学部, 助手 (90212076)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 不斉水素化 / 均一系触媒 / HIVプロテアーゼ阻害剤 / C_2対称分子 / ロジウム触媒 / ルテニウム触媒 / 不斉配位子 |
Research Abstract |
近年、エイズが社会的に問題とされているが、その原因となるHIVウィルスにおいてHIVプロテアーゼは複合タンパクから各構造タンパクを切りだし、ウィルス増殖の重要な役割を果している。そこでHIVプロテアーゼの活性中心に選択的にバインドし、しかも加水分解されない分子を設計できればHIVプロテアーゼの活性を阻害することができ、HIVウィルスの増殖を抑えられると考えられる。実際HIVプロテアーゼに対しC_2対称フェニルアラニン誘導体が効果的に複合し、阻害剤として有効であると報告されており、われわれは、これらに共通する複合活性中心部位を簡便にかつ光学活性体として合成し、新規HIVプロテアーゼ阻害剤の創製を計画した。 2種類の対称なビスシンナミル酸のジオレフィンに対し、2度の不斉水素化を独立に繰り返し行い、より効果的に光学活性なC_2対称コア分子を合成できると考えた。実際にロジウムカチオン性錯体を触媒として2重の不斉水素化を試みたところ、基質の立体障害のためか非常に反応に乏しく不斉を全く誘起することが出来なかった。一方、ルテニウム・BINAP錯体を触媒として水素高圧下(90atm)検討したところ、一度の不斉水素化では達成できなかった90%ee以上の不斉誘起に成功し、本手法が光学活性なC_2対称コア分子の合成に極めて有効であることを明らかにした。さらに生成物のジカルボン酸からクロチウス転位を経てコア部位として重要な光学活性ジアミンへの変換を行った。現在合成したジカルボン酸とジアミンの縮合による新規環状ペプチドの合成法の確立およびプロテアーゼの3次元構造をもとにした機能性分子の設計を分子力場計算とコンピュータフラフィクを用い検討中である。
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