シラ-Witting転位反応の開発とその有機合成化学的応用
Project/Area Number |
08751001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河内 敦 京都大学, 化学研究所, 助手 (70260619)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | シラ-Wittig転位 / (アリルオキシシリル)リチウム / アリルシラン / アレニルシラン / 過酸化水素酸化 / アザ-シラ-Wittig転位 / (アミノ)ハロシラン / 12-crown-4 |
Research Abstract |
α-アルコキシ有機リチウム化合物ではWittig転位反応が進行することがよく知られている。本申請者は、これまでに、ケイ素上にアリルオキシ基を有する(アリルオキシシリル)リチウムを、シリルスタンナンのスズ-リチウム交換から生成させて、[2,3]Wittig型転位反応(シラ-Wittig転位)が進行することを見いだした。これによって、さまざまな3級アリルアルコール誘動体を、官能性アリルシランへ変換する新規合成法を確立した。 平成8年度では、2級アリルアルコール誘導体において、ケイ素上をο-トリル基のようなかさだかい置換基で立体的に保護することにより、アリルシランを合成することに成功した。また、3級プロパギルアルコール誘導体においてもシラ-Wittig転位が進行することをみいだし、アレニルシランを合成した。 上記の転位によって得られたアリルシランを過酸化水素酸化することにより、アリルアルコールへと変換した。すなわち、シラ--Wittig転位と過酸化水素酸化を組み合わせることで、アリルアルコールの[1,3]骨格変換を達成した。 次に、シラ-Wittig転位における酸素原子を窒素原子におきかえた、アザ-シラ-Wittig転位の開発をおこなった。[(アリルアミノ)シリル]スタンナンからシリルリチウムを生成した場合、12-crown-4を加えることにより、アリルシランを合成することができた。また、2級アミンをn-BuLiでリチオ化し、ジフェニルジハロシランと反応させて(アミノ)ハロシランを得た。これとリチウムから生成したシリルリチウムでは、12-crown-4を添加しなくても速やかに転位が進行し、対応するアリルシランが生成した。 以上の転位反応は、立体選択的な炭素骨格形成に有用な反応として、有機合成化学的な応用が期待できる。
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Report
(1 results)
Research Products
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