低原子価バナジウムを用いた脱酸素・脱硫黄を伴う炭素骨格構築反応
Project/Area Number |
08751006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
片岡 靖隆 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (90221879)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | バナジウム / 低原子価 / 脱酸素 / 脱硫黄 / カップリング / ベンジルチオール |
Research Abstract |
低原子価バナジウムを用いた、カルボニル化合物からの脱酸素を伴う炭素-炭素単結合が生成するカップリング反応の開発に成功した。カルボニル化合物にグリニヤール反応剤やアルキルリチウムを反応させ調製したアルコキシマグネシウム、あるいはリチウム錯体に2価のバナジウムを作用させアルコキシバナジウムを系中に発生させる。そこに、触媒量の分子酸素存在下加熱環流すると、脱酸素を伴ったカップリング反応が進行する。本反応の特徴は次の2点である。まず1点目は、いわゆる前周期遷移金属を用いたカルボニル化合物のカップリング反応は、炭素-炭素2重結合ができるのに対し、本反応では、炭素-炭素単結合が生成するところである。2点目は、触媒量の分子酸素を必要としていることである。酸素が存在しないとこのカップリング反応は進行しない。また、酸素の量が多すぎても進行しない。様々なバナジウム錯体を検討した結果、脱酸素には低原子価のバナジウムと触媒量の高原子価のバナジウムの両方が必要であることがわかった。 この反応を脱硫黄を伴うカップリング反応に応用した。ベンジルチオールのリチウム塩に2価のバナジウムを作用させ加熱環流すると脱硫黄を伴ったカップリング反応が進行する。また、反応系中にα,β-不飽和ケトンを共存させると、脱硫黄を伴ったマイケル付加反応が進行した。現在のところ、反応が進行するチオールはα-置換ベンジルチオールに限られている。今後、窒素系の不斉配位子をバナジウムに導入し、不斉反応へ応用する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)