π-アリルパラジウム錯体のエナンチオ交換をともなう触媒的不斉合成
Project/Area Number |
08751013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
佐竹 彰治 早稲田大学, 理工学部, 助手 (00277831)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1996: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | パラジウム / 不斉合成 / ナフタレン誘導体 |
Research Abstract |
ラセミ体の2β-アセトキシ-4aβ-メチル-2,3,4,4a,5,6-ヘキサヒドロナフタレン(1)に対し、THF溶媒中、パラジウム(5mol%)と不斉配位子(10mol%)存在下にマロン酸ジメチルのナトリウム塩を反応させると2-ジメトキシカルボニルメチル-4a-メチル-2,3,4,4a,5,6-ヘキサヒドロナフタレン(2)がエナンチオ選択的に生成した。本反応における不斉配位子として、(-)-BINAPのようなリン原子のみからなる2座配位子を用いた場合、反応は80°Cで進行するものの(86%)、光学収率は低かった(16%ee)。一方、窒素原子とリン原子をもつ光学活性不斉配位子では、反応は室温で速やかに進行し(89%)、メチル基と置換基との関係がシスのものとトランスのものが1:1.2で生成した。このときの光学収率は、シス体44%ee、トランス体58%eeであった。本反応は、中間にπ-アリルパラジウムを形成し、π-σ-π相互変換を通じて、π-アリルパラジウムのエナンチオ交換を経て進行していると考えられる。ナフタレン誘導体2は、光学活性な6,6員環化合物の合成中間体として利用が可能である。
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Report
(1 results)
Research Products
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