Project/Area Number |
08751027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
高分子合成
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上垣外 正巳 京都大学, 工学研究科, 助手 (00273475)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | リビング重合 / ラジカル重合 / 遷移金属錯体 / 重合開始剤 / 重合触媒 / 高分子合成 / メタクリル酸メチル / ブロック共重合 |
Research Abstract |
本研究では、種々の遷移金属錯体と炭素-ハロゲン結合を有する化合物(開始剤)とを組み合わせて用いることにより、リビングラジカル重合系の開発を行った。 ルテニウム錯体[RuCl_2(PPh_3)_3]に四塩化炭素を組み合わせた開始剤系により、アルミニウムイソプロポキシドの存在下で、メタクリル酸メチル以外にもメタクリル酸エチルやメタクリル酸ブチルのリビングラジカル重合が可能なことを見出した。この開始剤系を用いると、これらのメタクリル酸エステル間のABおよびABAブロック共重合体の合成が可能なことが明らかとなった。また、四塩化炭素以外にも、炭素-ハロゲン結合を有するエステルおよびケトンや、硫黄-塩素結合を持つ塩化スルホニルも開始剤として有効であることが明らかとなった。 この重合は、ラジカル重合禁止剤を加えると完全に停止するが、メタノールや水のようなプロトン性化合物が存在してもリビング的に進行することにより、重合はラジカル機構で進行することが証明された。さらに、回収したポリマーの末端は炭素-ハロゲン結合であり、この末端は空気中でも安定で、モノマーとルテニウム錯体を加えるとこの末端から再びリビング重合が進行することを見出した。 さらに、このような重合系をより一般化するため、上記ルテニウム錯体に代わる遷移金属錯体の探索を行った。その結果、鉄錯体[FeCl_2(PPh_3)_2]やニッケル錯体[NiBr_2(PPh_3)_2]を用いても同様なリビングラジカル重合が進行することを見出した。これらの錯体では、添加するアルミニウム化合物が不要な場合があることが明らかとなった。 以上より、種々の遷移金属錯体とハロゲン化合物を用いることにより、メタクリル酸エステルのリビングラジカル重合が可能であることを明らかにした。しかし、アルミニウム化合物の役割や、適用可能なラジカル重合性モノマーの範囲は明らかとなっておらず、今後の研究が必要である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)