Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
複合材料ならびに生体材料において表面・界面は重要な役割を果たしている。従って,界面・表面の制御は重要な研究課題であり,表面・界面自由エネルギーは重要なパラメーターとして,高エネルギー化を目指した数多くの研究がなされている。しかしながら一方,生体適合性を考える上でも,また,剥離・非汚染性の上でも,表面・界面自由エネルギーを低下させることは重要である。表面・界面自由エネルギーは負の値になることはないので,低エネルギー化の極限の姿はOerg/cm2である。一方,実際の材料おいてはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の18erg/cm2が報告されている。また,-CF3を利用すれば6erg/cm2まで低下すると言う推定がなされている。そこで本研究においてはPTFEを越える超低表面エネルギー,言い換えれば超疎水性,超撥水・撥油性高分子表面の創製を目的として研究を行った。低エネルギー化に当たって,具体的には2つのアプローチを試みた。 ・パ-フルオロ高分子のブレンドによる低エネルギー化 ・フッ素化試薬による低エネルギー化 対象としては,ポリメタクリル酸メチル(PMMA),ポリビニルアルコール(PVA),ポリエチレンテレフタレート(PET)を取り上げた。その結果,PVAの表面をフッ素化試薬で修飾することにより,表面自由エネルギーは16erg/cm2となり,元来親水性である高分子の表面の疎水化に対して本手法が有効であることを示すことができた。PMMAに対しては,わずか1%のパ-フルオロ高分子をブレンドするだけで表面自由エネルギーは16erg/cm2となり,PTFEを越える低自由エネルギー表面を得ることに成功した。この際,PMMAとしての優れた光透明性,力学特性性を損なうことなく超疎水性が付与できたことから,眼内レンズなどのバイオマテリアルへの展開の道を開くことができた。
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