Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究では,野菜の生育,外観品質ならびに含有成分を人工光源によって制御することを目的として,1,安価な深夜電力を利用した補光による園芸作物の生育促進栽培技術の開発,2,人工光源による補光と養液栽培技術を組み合わせることによる園芸作物の品質の制御技術の実用化という2つのテーマについて検討した。 テーマ1については,深夜電力の対照時間帯である午後11:00から午前6:00まで各種人工光源(白,黄,青)によるレタス,シュンギクの補光栽培試験を行った。その結果,レタスの場合,白色光の補光下で葉数および葉面積の増加が著しく生育促進効率が最も高くなった。一方,シュンギクの場合,白色光ならびに黄色光による補光の生育促進効果はほぼ同等であったが,黄色光による補光下では節間の伸長が促進され徒長した外観となった。いずれの作物においても青色光下では他の光源よりも徒長的外観にならなかったことから,白色光の場合,青色光の領域をある程度含んでいるため黄色光よりも徒長が抑制されたと推察される。 テーマ2では,水耕ホウレンソウについて,収穫直前に培養液中の硝酸態窒素を除き同時に強力な光を夜間に照射することによって硝酸イオンの還元を促進し,短期間で葉中硝酸イオン濃度を低減させることを検討した。培養液中硝酸態窒素除去後の硝酸イオン濃度は,夜間補光によって大きく低下し,処理後2日目で4500ppm以下となった。植物体中硝酸イオン濃度低下促進効果は補光強度に比例し,150μmol・m^2・s^4以上の光強度で十分な効果を発揮した。硝酸態窒素除去後ホウレンソウの生育は停止したが,補光により短期間に硝酸イオン含有量を低下させることができることからこの処理による収量への影響は少ないものと考えられ,補光と硝酸態窒素除去処理の組み合わせによって,収量を維持したまま葉中硝酸イオン濃度低減というホウレンソウの品質向上を達成することができた。
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