Project/Area Number |
08760049
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
蚕糸・昆虫利用学
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐原 健 北海道大学, 農学部, 助手 (30241368)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 家蚕 / カイコ / 倍数体 / 減数分裂 / ヘキスト33258 / 蛍光顕微鏡 / 受精 / 配偶子 |
Research Abstract |
当該研究は動物倍数体が簡単な処理で大量に誘起できる家蚕を用いて、昆虫4倍体雌の減数分裂からsyngamy(受精)に至る経過を15分間だけ産卵を許し、卵齢のずれを15分毎にした家蚕卵固定標本をHoechst33258染色-蛍光顕微鏡観察した。 産卵直後の卵は減数第一分裂中期で止まっているが、精子の侵入とともに卵の表面に対して、ほぼ垂直に分裂を再開し約60分までに分裂を終了した。その後、直ちに減数第二分裂に入ったが、中期の分裂像は卵表面に対して水平方向と垂直方向にとほぼ直行していた。また、卵齢75-90分の卵では、ほとんどの場合、一方がMII中期、他方はMII後期である分裂像が認められ減数分裂時に同調性が失われることが判明した。これに対して、対照区とした2倍体の減数第二分裂の大部分は同調性が失われることなく、終期に4つの核へと移行した。減数分裂の終了する時間は2倍体、4倍体ともに105-120分までであり、第二卵母細胞がそれぞれ半数体核と2倍体核となるにも関わらず減数分裂に要する期間に変化のないことが明らかになった。また、4倍体において卵核の崩壊像は認められなかった。減数分裂終了直後、互いの近傍に位置するの4核は、卵齢120分頃には3核と1核のグループを形成し、3核のうち2核の第一極体核と第二極体核は明らかな形態的相違が認められた。残りの1核はその後、精前核とのKaryogamyが観察されることから卵前核である。 これらのことから、家蚕4倍体雌においてWW配偶子が形成されにくい原因は、減数第二分裂速度の相違、もしくは分裂方向の前決定のいずれかによると考えられる。
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