Project/Area Number |
08760059
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Plant nutrition/Soil science
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 樹 京都大学, 農学研究科, 助手 (10231408)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | リサイクル素材 / 団粒化剤 / 土壌改良 / 土壌微生物 / 土壌化技術 / 蛍光染色 |
Research Abstract |
本研究は、低品位化した天然リサイクル資源を介して、都市型社会と土壌環境との調和的均衡の再構築をはかるための土壌化技術の確立に基礎的情報を与えることを目的に実施された。その研究の実施項目と得られた知見を要約すると以下の通りである。 1)天然リサイクル素材を用いた団粒化剤の調製工程:天然リサイクル素材(故紙やボロ布)の繊維をほぐすには、単純な機械的攪拌や超音波処理が有効であった。これを圧縮脱水し乾燥後、機械的の紛砕すれば団粒化剤となる。調製工程は非常に簡便で技術化は容易である。 2)団粒化剤と土壌粒子との接触状況の確認:土壌薄片試料に蛍光染色剤(Mg-ANS)を塗布し、素材繊維と土壌構造を顕微鏡観察する手順を確立した。土壌を団粒化剤とを均一に混和することは困難であり、土壌粒子を繊維で絡めて団粒化する様子は観察できなかった。繊維が粗大であるため、混和された団粒化剤は主に団粒と団粒の間に存在した。 3)微生物の関与の評価:蛍光染色剤(Mg-ANS)は、微生物の影響を受けていない部分を染色するため、これを用いて、土壌孔隙中のどの部位にある団粒化剤が微生物による分解を受けるのかが観察できた。この団粒化剤は、炭素率(C/N比)が高く養分に乏しい粗大繊維であることと団粒間孔隙に置かれるため、その近傍では糸状菌が優占し、繊維方向に菌糸が伸びるのが確認された。このことは、団粒化剤の調製の途上で糸状菌など微生物の胞子を添加することにより、団粒化剤が消失した後も微生物が土壌改良効果を代替し持続させる可能性があることを示唆し、これを技術化する上で有用な知見である。 4)団粒化程度の評価:湿式篩別法やスレ-キングテストにより団粒化の程度を評価できる。素繊維自体の団粒化効果は高くないが、糸状菌などの定着後は改善効果が認められた。微小サイズの繊維や高分子改良剤の併用など、より効果的な施用法を検討する必要がある。
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