Project/Area Number |
08760081
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
応用微生物学・応用生物化学
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井上 善晴 京都大学, 食糧科学研究所, 助教授 (70203263)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | Saccharomyces cerevisiae / ストレス / 過酸化脂質 / 活性酵素 / 環境 |
Research Abstract |
Snyder libraryは、プロモーターを欠失させた大腸菌由来のβ-ガラクトシダーゼ遺伝子(lacZ)と、Saccharomyces cerevisiae中での選択マーカーとしてのLEU2遺伝子が、S.cerevisiaeの染色体DNAを含むplasmid libraryにランダムに導入されたものである。このplasmid libraryからlacZ-LEU2を含む酵母の染色体DNA部分を切り出し、宿主酵母の染色体へ導入する。宿主酵母としては2倍体を用いる。その理由としては、lacZ-LEU2部分を宿主染色体へ導入した場合、その導入部分は相同組み換えにより置換破壊されるため、必須遺伝子であった場合、致死となってしまいその後の解析が不可能となるためである。 今回、酸化的ストレス応答性遺伝子のクローニングの試みとして、過酸化脂質であるtert-ブチルヒドロペルオキシド(t-BHP)によって発現レベルが変化するクローンのスクリーニングを行った。約3000株のコロニーバンクをそれぞれ2枚のナイロン膜へ転写後、一方はそのまま最小培地へ移し、もう一方はt-BHP含有の最少培地へ移し28℃で培養しコロニーを形成させた。その後、ナイロン膜を液体窒素へ浸し室温で放置し細胞膜を凍結・融解により破壊した。その後ナイロン膜をX-galを含む緩衝液へ浸しコロニーの発色を観察した。その結果、t-BHPの有無によって青色の異なるクローンがいくつか得られた。得られたクローンを更に精査し、過酸化脂質に起因する活性酸素ストレスによって誘導的にβ-ガラクトシダーゼ活性が変化するクローンを3つを得た。1番目のクローンは四分子解析の結果、LEU2^+とβ-ガラクトシダーゼ活性はリンクして2:2分離を示した。2番目のクローンも2:2分離を示したが、3番目のクローンは調べたいくつかの胞子については発芽せず、致死性を示した。しかし、発芽可能であった胞子がLEU2^+でありβ-ガラクトシダーゼ活性を示したことから、3番目のクローンでは少くとも2ケ所でlacZ-LEU2断片の染色体への挿入が起こっていると考えられた。 1番目のクローンでは、挿入部分をYIp5を用いてrescueし塩基配列を決定したところ2-デオキシグルコース-6ーリン酸ホスファターゼをコードするDOG2遺伝子内にlacZ-LEU2断片が挿入されていた。同様に、2番目と3番目のクローンについても挿入部位を特定したところ、両クローンとも酵母におけるレトロトランスポゾンであるTy1エレメントのうちのTyA遺伝子中に挿入されていた。これらのクローンのうち、DOG2遺伝子中に挿入されたクローンについて更に解析を行ったところ、DOG2-lacZ融合遺伝子の発現は、ジアミドやエタクリル酸などの細胞内グルタチオン枯渇剤やCd^<2+>によっても誘導された。
|