多糖の合成と分解に関わるスヒンゴモナス属細菌表層の穴構造と新規高分子取り込み機構
Project/Area Number |
08760083
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
応用微生物学・応用生物化学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
橋本 渉 京都大学, 食糧科学研究所, 助手 (30273519)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | スヒンゴモナス属細菌 / 細菌の細胞表層構造 / 細菌多糖 / 酵素科学 / 遺伝子工学 |
Research Abstract |
1.特異な細胞表槽構造を有するスヒンゴモナス属細菌における高分子膜透過機構について以下の知見を得た。アルギン酸分解菌として単離されたSphingomonas A1(A1株)において、アルギン酸を高分子のまま細胞内に取り込む機構(ピット構造)の存在を示唆している。A1株を変異剤で処理し、アルギン酸資化能の弱い菌を作製した。変異株は高分子アルギン酸では生育が悪く、アルギン酸を酵素的に分解したオリゴ糖は資化することができた。一方、変異株のアルギン酸分解酵素(アルギン酸リアーゼ)は、活性を保持していた。このことより、変異株ではアルギン酸の細胞内取り込み能が正常でないことが示唆された。高分子アルギン酸で培養した野生株及び変異株の細胞表層を電子顕微鏡で観察すると、野生株ではアルギン酸特異的なピット構造が存在したが、変異株では存在しなかった。以上の結果、A1株の高分子アルギン酸取り込みにはピット構造が関与していることを確認した。2.Sphingomonas paucimobilisが生合成するスヒンガン(ゲラン)の分解について以下の知見を得た。ゲランは4糖の反復配列を有する直鎖状の多糖である。ゲランで固めたゲランプレートに陥没した状態で生育する微生物を水田土壌より単離・同定した結果、Bacillus属細菌(GL1株)であった。DL1株をゲランを炭素源として培養し、その培養濾液からゲラン分解酵素(ゲランリアーゼ)を精製した。精製した酵素は分子量14万の単純タンパク質であり、細菌多糖の中でもゲランのみを特異的に分解した。分解物を精製し、構造決定を行ったところ、非還元末端糖に2重結合を持つグルクロン酸、還元末端糖にグルコースを有する4糖であった。これより、ゲランリアーゼはグルコースとグルクロン酸の間をリアーゼ的に切断することが判明した。GL1株のゲノムDNAを抽出し、大腸菌でゲノムライブラリーを作製し、ライブラリーよりゲランリアーゼをコードする遺伝子を単離した。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)