Project/Area Number |
08760107
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
応用微生物学・応用生物化学
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
尾山 廣 熊本工業大学, 工学部, 講師 (50221700)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1996: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | Actinosynnema / SerratiaプロテアーゼInhibitor / PropioxatinA |
Research Abstract |
Serratia piscatorumのセラチアプロテアーゼを対象酵素にインヒビター生産菌の探索を開始し、1,013株の分離菌株より菌対外に熱に安定な低分子性阻害物質を生産するSI-23株を発見した。この生産菌の分類学上の位置を検討し、希少放線菌Actinosynnema属(世界的にも数種しか存在しない希少菌種)と同定した。阻害物質の精製は、培養液18リッターを100℃で15分間の熱処理後、陽イオン交換、陰イオン交換、逆相分配のカラムクロマトグラフィーとHPLC(TSKgel SAX、TSKgel Octadecyl 2PW、ODS10C18、HITACHIgel♯3019)の操作で行った。阻害物質の回収率は11.8%で、白色の凍結乾燥品79.9mgを得た。また、セラチアプロテアーゼ活性に対するID50値は86ngであった。阻害物質はRydon-Smith、ニンヒドリン反応、塩化第二鉄反応に陽性、モリブデン硫酸反応とフェノール硫酸反応に陰性であり、旋光度(28℃、lmg/ml、H_2O)は-90.2℃、融点は85〜86℃の値を示した。FAB-MASSと元素分析により分子量が371、H:7.77%、C:53.52%、N:11.02%の組成値を示した。IRスペクトル分析、NMR分析、アミノ酸組成分析、カルボキシペプチターゼ等の酵素処理の結果、エンケファリナーゼBの阻害物質であるPropioxatinAとBの構造に類似することが分かった。次に、IRスペクトル分析や重水及び重メタノール下でのプロトンNMR及びカーボンNMR分析を行い、Pro-Valに2-プロピルコハク酸のモノヒドロキサム酸が結合した構造が推定され、また、これら標準品とHPLCでの溶出パターンを同一であることから、既知物質であるPropioxatinAであると結論した。PropioxatinAは、ジペプチジルペプチダーゼの阻害剤として発見されているが、Serratiaプロテアーゼを阻害するという報告はない。このインヒビターの作用機作には興味が持たれる。
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