河川氾濫による微地形変化と河畔林の破壊・再生プロセスとの相互関連
Project/Area Number |
08760141
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
林学
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
菊池 俊一 北海道大学, 農学部, 助手 (10250490)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 河畔林 / 河川撹乱 / 微地形変化 / 更新動態 / 年輪幅変動 |
Research Abstract |
河畔林は豪雨にともなう洪水流・土石流により河川地形変化・土砂流送等の撹乱をうけ、成立・破壊・再生を繰り返している。1992年8月に北海道胆振地方東部・日高地方で発生した1/40年確立の豪雨に伴う河川氾濫により,沙流川流域では河川微地形と河畔林に変化がみられた。調査区間29kmにおいて,ヤナギ類を主とした河畔林総面積は約130haあり,河畔林変化タイプを流出,傾倒,無変化の3つに分けると各々36%,9%,55%,であった。次に河畔林成立面の最低河床からの比高別に河畔林の変化状況を見てみると,流出と傾倒による変化率は低比高地(比高1.2m以下)の河畔林で約60%と最も高く,逆に高比高地(比高3.7m)では7%と極めて低い。つまり低比高地に成立する河畔林は,より高位に位置するもの比べ,撹乱の影響が大きいことがわかった。また,河畔林の再生様式については,傾倒個体からの萌芽再生や,砂礫堆に漂着した枝条や樹幹からの萌芽発生など,河畔域特有のものが確認された。 一方,より高齢のトドマツを主とした扇状地林における河川撹乱と樹木年輪に残る撹乱痕跡については,北海道利尻島東部のオチウシナイ河扇状地を研究対象とした。河川横断測線に沿って扇状地林を最低河床からの比高と流路からの距離等の地形的要因や林分構造からいくつかのグループに分割し,エゾマツとトドマツから成長錐でコアサンプルを採取した。サンプルの年輪幅変動から気象要因を除去する操作をした上で樹木年代学的解析をしてみると,流路に近く低比高地であるほど各個体の年輪幅変動にバラツキのみられる期間がみられ,この相関の悪さが河川撹乱の影響を示すものと考えられる。すなわち,河川撹乱の影響域では隣り合う林分であっても,その立地環境によりより年輪幅変動パターンが異なっており,それは撹乱形態の違いを表すものと考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
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