Project/Area Number |
08760146
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
林学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小島 克己 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 助教授 (80211895)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | Paraserianthes falcataria / Acacia mangium / Leucaena leucocephala / 熱帯産マメ科樹木 / Gmelina arborea / リン酸欠乏 / フォファターゼ / 有機酸生成 |
Research Abstract |
P欠乏に対する熱帯造林樹種の反応特性を明らかにすることを目的とした。熱帯早生樹4種(Acacia mangium、Paraserianthes falcataria、Leucaena leucocephala、Gmelina arborea)を材料とし、珪砂を詰めたポットに植えた発芽後2〜3ヶ月の苗を、温度を30℃/25℃(昼/夜)に設定した温室内で育てた。P濃度が0、1、100μMの培養液を調製し、それぞれ無P区、低P区、対照区とした。また対照区の培養液に100μM AlCl_3または100μM FeSO_4を加えた。Al-P区、Fe-P区を設定した。水槽に置いたポット全体を、培養液に1日4回15分ずつ浸した。1週間毎に培養液を更新し、その都度pHを5.0に調整した。A.mangiumとP.falcatariaでは低P区と無P区で樹高生長の抑制が小さく、低P耐性が高いことが示唆された。有機態Pの利用に関すると考えられる根のフォスファターゼ活性は、低P区と無P区のA.mangiumで対照区に比べ数倍の活性を示した。A.mangiumで培養液のP濃度tが低いほど根のクエン酸濃度が高く、対照区の2〜3倍であった。これはP欠乏条件下で難溶性Pを利用するための反応と考えられる。P.falcatariaでは処理によるフォスファターゼ活性や有機酸濃度の変化は認められなかった。G.arboreaとL.leucocephalaでは低P区と無P区で樹高生長の抑制が大きかった。L.leucocephalaの根のP濃度は処理によらず常に低かった。G.arboreaの根のフォスファターゼ活性は処理による変化がみられなかったが、L.leucocephalaでは低P区と無P区で高い活性を示した。両種とも処理によって濃度変化する有機酸は検出されなかった。低P耐性の高いA.mangiumの、根のフォスファターゼ活性やクエン酸濃度がP欠乏によって高まったことは、P欠乏条件下で生きていくための適応反応の一つであると考えられる。Al-P区、Fe-P区では、すべての種で、成長抑制やフォスファターゼ活性、有機酸濃度の増加は明らかでなかった。リン酸と難溶性塩を形成するAlおよびFeの土壌中での挙動を含め、さらに検討を要する。
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