Research Abstract |
M. aeruginosa f. aeruginosa (NIES87), M. aeruginosa f. flos-aquae (NIES98), M. viridis (NIES102), M. wesenbergii (NIES111), M. aeruginosa f. aeruginosa (NIES90), M. aeruginosa (TAC169), M. aeruginosa (TAC192)を供試生物とし,全DNAを抽出し,これを用いて発色法によるDNA-DNAハイブリダイゼイションおよび16S rDNAの塩基配列決定を行った。その結果,用いた株間のDNA相同性並びに16S rDNA相同性はそれぞれ70%以上,97%以下であり,細菌同定の観点から見れば同種であると考えられた。 次に,既報のラン藻のフェレドキシン遺伝子(fdx)の保存領域からプライマーを作製し,fdxをPCRで増幅させたところ,M. aeruginosa (NIES87)のみに目的とする約300bpのPCRが得られた。ジデオキシ法により塩基配列を決定したところ葉緑体型fdxであることが確かめられた。その系統分析を行ったところ,他のラン藻のfdxと独立したクラスターを形成した。しかしながら,他の株ではPCR増幅が出来なかったため,fdxのクローニングを目的としてサザンハイブリダイゼイションによりfdxの検出を試みた。その結果,他の株にも1ないし2コピーづつのfdxの存在が確認された。同じ制限酵素で消化した場合でもfdxのバンドの位置が全ての株で異なっており,また,株によってfdxがPCR増幅されないことから,種(株)間でその塩基配列が異なっていると考えられ,これらを解析することによってMicrocystis属の種(株)間の識別が出来うるのではないかと考えられた。
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