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¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
本研究ではCa^<2+>濃度測定のため,Ca^<2+>キレート作用をもつ蛍光色素であるfura-2を用いた。まず,Ca^<2+>濃度と蛍光強度比との相関曲線を作成した。Ca^<2+>農を0.1〜1μMに設定した緩衝液をCaCl_2とEGTAの濃度を調節しながら作製し,それぞれの緩衝液に対しfura-2が一定濃度になるように溶解した。次に,個々のCa^<2+>濃度における365および405nmの励起での530nmにおけるそれぞれの蛍光強度を蛍光分光々度計により測定し,その結果から蛍光強度の比とCa^<2+>濃度との相関曲線を作成した。蛍光は時間経過とともに減衰するため,再現性のある蛍光強度の測定は困難であるが,蛍光強度比は時間の経過にかかわらず一定であるため,この方法は再現性の点で非常に有効であった。 次に,細胞外マトリックス領域におけるCa^<2+>濃度の測定を行った。試料には著しい軟化を起こすグレの活魚を用いた。延髄刺殺後,厚さ2〜3mmの筋肉のスライスをカミソリの刃により切り出し,スライドグラスにのせたうえで,fura-2溶液で染色した。染色後,余分な染色液を洗浄し,落射型蛍光顕微鏡により,励起幅360-370nm,および400-410nmの励起フィルターを用いて,515-550-nmにおける蛍光像をそれぞれ写真撮影した。次に,現像した写真について,デンシトスキャナーにより細胞外マトリックス領域の反射率を測定することで,便宜的な蛍光強度をもとめ,2種類の波長で励起した場合の蛍光強度比を求めた。上記より得られた相関曲線と,筋肉のスライスから測定された蛍光強度比を用いることにより,細胞外マトリックス領域のCa^<2+>濃度を測定したところ,細胞内は約100nMであるのに対して,細胞外マトリックス領域では検出されなかった。
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