Project/Area Number |
08760218
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Irrigation, drainage and rural engineering/Rural planning
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
近藤 雅秋 三重大学, 生物資源学部, 助手 (10273351)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 底泥 / 巻き上げ / 密度分布 |
Research Abstract |
底泥の初期沈積状態と巻き上げ限界底面剪断応力以下での密度分布変化から底泥硬化および単位時間単位面積当たりの質量変化率で定義する巻き上げ速度等の特性を把握するために、実際底泥とカオリナイト泥を比較した。 実験装置には円形回流水槽を、底泥試料にはカオリナイトおよび諌早湾泥を用いた。カオリナイトと蒸留水、諌早湾泥と海水の各懸濁液を3時間沈降させ沈積高さ50mmとした。深さ方向に5mm間隔で採土し密度を測定した。 まず、ある大潮下げ潮流れにおける巻き上げ速度のピークは、諌早湾泥がカオリナイト泥の3分の1と小さかった。底泥設置直後の初期鉛直密度分布は、カオリナイト泥と比較して諌早湾泥の密度分布幅が2倍と大きかった。カオリナイト泥の密度分布幅が小さいために巻き上げ発生時に侵食する底泥層が厚く巻き上げ速度が大きくなった。諌早湾泥では密度分布幅が大きく巻き上げ発生時の侵食層が薄く巻き上げ速度が小さくなったと考えられる。 次に、大潮下げ潮流れでは、巻き上げ発生が顕著となるまでに巻き上げの限界底面剪断応力以下の作用期間がある。そこで、巻き上げ速度のピークを含む3時間までを考察対象として巻き上げの限界底面剪断応力以下での密度変化を検討した。その結果、諌早湾泥ではカオリナイト泥よりも底泥層の密度増加率が大きく、硬化現象の進行が大きいことがわかった。なお、いずれの泥も流送時の密度増加は静水時の場合よりも若干大きかった。 以上から諌早湾泥のような実験底泥では初期鉛直密度分布の幅は大きく、さらに密度増加率も大きいので、硬化の進行によって顕著な巻き上げ発生時までの上層部の侵食量は少なく巻き上げ速度が小さくなった。底泥層の密度分布の違いは、泥の粒径分布の違いに起因する。本カオリナイトでは粒径分布がほぼ均一で、実際底泥では不均一である。粒径分布の相違で底泥の初期沈積状態が異なり、底泥層の密度変化に影響したと考えられる。
|