Project/Area Number |
08760228
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Irrigation, drainage and rural engineering/Rural planning
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Research Institution | Akita Prefectural College of Agriculture |
Principal Investigator |
近藤 正 秋田県立農業短期大学, その他部局等, 講師 (70279503)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 湖沼 / 窒素 / リン / 水質保全 / 排出負荷量 / 水田排水 / 干拓地 / 循環利水 |
Research Abstract |
八郎湖の水質保全の目的で、八郎湖流域における水と養分の流れを明らかにし、八郎湖の水質と農業との関連を解明するため、干拓地内から八郎湖へ排出される栄養塩類(窒素、リン)の負荷量とその変動実態調査を行った。申請備品である自動採水器(ISCO社製)を用いて詳細な水質観測を行った。 八郎潟中央干拓地、南部排水機場からのN(窒素)排出負荷量は潅漑期間('96年4/13〜8/31)中に401.7t(N)、P(リン)排出負荷量は50.2t(P)であった。代掻き田植え時期の栄養塩類の流出は、N、Pとも濃度上昇を伴うものであることが確認された。濁水の影響を受けやすいPの場合はこの濃度上昇が顕著であった。潅漑期間の干拓地排水中のN、Pの平均濃度はN2.50mg/L、P0.312mg/L、(潅漑期間の総排水量は1.61億t)、代掻き田植機間ではN平均2.77mg/L、P平均0.140mg/L、最高値はN3.50mg/L(5/3)、P0.629mg/L(5/12)であった。 また八郎湖では干拓残存湖を淡水化し調整池として利用しているので干拓地からの排水が再び農業用水として干拓地水田へ取水されるので西部承水路への南部排水機場排出負荷還元率%(還元負荷荷重t)の実態を調べたところ、潅漑期間においては約65%(N259.8t、P33.7t)、取水時(中干し期間の6/11〜6/20を除く潅漑期間)では70%以上の南部排水機場からの排出負荷が西部承水路へ還元利用されていることがわかった。環境保全的な水管理形態であるとともに、水田からみた場合、流失した養分を水田内に再び取り入れ保持する機会を得ることになり、持続的な養分循環利用形態とみなすことができる。 八郎潟干拓地の水管理による水質変動の特徴は、干拓農地排出負荷による汚濁と、循環利水による流出抑制という二面性がある。これは水質管理を行う上で重要な知見と考えられる。
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