Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
黒大豆および玄米を生体計測の対象とし,これらの品質判定を画像処理法を用いて行った結果を報告する。 当所,ホウレン層やサラダ菜の栽培時の生育状態の診断も行なう予定であったが,栽培施設の準備が研究期間内に終了せず,今年度の研究では農産加工品の品質判定のみを行った。栽培植物の画像処理は今後の課題となっている。 黒大豆は機械乾燥処理後に出荷されるが,乾燥課程で種々の被害粒が発生する。本研究ではこれらの被害粒の内,裂開粒,裂皮粒,陥没粒,しわ粒について整粒かそうでないかを画像処理手法により判別するアルゴリズムを開発した。裂開・裂皮粒は黒大豆の表皮が乾燥課程で膨張して裂けることにより発生する。黒大豆の内容物と表皮の濃度値が大きく異なるため比較的簡便に判別できた。陥没粒・しわ粒は表皮より内容物の収縮の度合いが大きいときに表皮がたるんで発生する。陥没粒は照明条件により陥没部の輪郭線が検出でき,輪郭線の曲率半径が存在するかどうかにより判別できた。しわ粒はFFT手法により原画像の両側パワースペクトルを求め,バンドパスフィルターを用いてFFT逆変換するとしわ部のみが抽出でき,これと合わせて統計手法である判別分析法により判別できた。いずれも誤判別率はあまり高くないが,今後の改良の余地は残されている。 玄米では青米,未熟粒,胴割れ粒および砕粒の整粒との判別を行なうアルゴリズムを開発した。青米と未熟粒は玄米表面の色相値が整粒と異なるためカラー画像から色相値を計測して判別を行った。胴割れ粒は点光源の玄米への照射により玄米の明るさが胴割れ面で変化することを利用して整粒と判別できた。砕粒はその画像面積が整粒と大きく異なることを利用して判別できた。いずれの誤判別率も非常に小さいが,より多くのサンプルをこのアルオリズムにて処理し,判別の精度向上を行なうことが今後の課題となっている。
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