Project/Area Number |
08760251
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Zootechnical science/Grassland science
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
有原 圭三 北里大学, 獣医畜産学部, 講師 (00175994)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1996: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 乳酸菌 / ラクトース / ガラクトース / lactobacilli / β-ガラクトシダーゼ |
Research Abstract |
Lactobacillus acidophilusグループ乳酸菌は消化管内の常在細菌として宿主に有効な機能を発揮している。これらの乳酸菌を乳製品に利用する際、乳中唯一の糖質であるクラトースをエネルギー源として利用しなければならない。また、クラトースの分解によって生じるガラクトースが白内障の一因となることも示唆されており、ラクトース代謝は重要な意味をもっている。このような背景から、本研究では、乳製品に望ましい糖質代謝能として、ラクトース利用能力が高く、ガラクトースを優先的に利用できることと設定した。本研究では、まず40株のL.aciophilusグループ乳酸菌を用いて、乳発酵性とクラトース加水分解酵素活性の関係を調べ、β-ガラクトシダーゼ活性が乳発酵性を左右する最重要な要因であることを示し、高β-ガラクトシダーゼ活性株を選択した。さらに、これらの菌株の中から、ガラクトース利用性の高い菌株を検索し、グルコースとガラクトースを同様の効率で利用できる菌株を見いだした。特にガラクトースの利用能が高い菌株としてJCM1026を選択し、この株のクルコース利用能を欠損させることにより、ガラクトースを選択的に利用できる菌株の作出を試みた。乳酸菌のグルコース利用経路にはホスオトランスフェラーゼシステムを利用するものとグルコキナーゼを利用するものが知られている。本研究では、前者の経路を欠損した変異株の作出に成功した。残念ながら、前者と共に後者の経路を欠損した株を得ることはできなかったが、研究は大きな進展を見せた。これら一連の成果は今後のL.acidophilusグループ乳酸菌の乳製品への利用範囲を広げると共に、乳酸菌全体における糖質代謝の解明に寄与する重要な知見を含むものである。
|