部位特異的突然変異誘発による胎盤性ラクトジェンの糖鎖機能解析
Project/Area Number |
08760272
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Basic veterinary science/Basic zootechnical science
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
服部 中 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (30270896)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 胎盤 / 胎盤性ラクトジェン / 糖タンパク質 / アスパラギン結合型糖鎖 / site-directed mutagenesis / プロラクチン受容体 / Nb2 lymphoma cell / JAK2 |
Research Abstract |
多機能胎盤性因子である胎盤性ラクトジェン(PL)は大部分が糖タンパク質であることが知られており、PLの分子多様性と機能発現という観点からもその糖鎖構造や機能の解明が待たれている。本研究ではPL-Im糖鎖の有する機能を探ることを目的として、部位特異的突然変異誘発(site-derected mutagenesis)によってPL-Im遺伝子のアスパラギン結合型糖鎖(N型糖鎖)の付加部位を改変し、N型糖鎖の一部あるいは全部を持たない遺伝子組換えPL-Imを作成することで、それらの分子の生物活性や分子物性を測定した。無変異組換えPL-Im(wild type)に比べてN型糖鎖結合部位を1ヶ所(N79Q、N128Q)あるいは2ヶ所(N79/128Q)改変したものでは、いずれも分子量が減少し、PL-ImのN型糖鎖結合可能部位にはいずれにもN型糖鎖が結合していることが明らかになった。PL分子の生物活性の指標となるNb2細胞を用いた増殖試験では、wild typeに対してN79Q、N128Q、N79-128Qの活性はそれぞれ59%、48%、41%に減少しており、PL-Im分子ではN型糖鎖が生物活性に重要な働き有することが明らかになった。ところが、これらの組換え分子のプロラクチン(PRL)受容体への結合活性は糖鎖の有無にかかわらず変化がなかった。また、PRL受容体のシグナル伝達にかかわっているJAK2分子のリン酸化能についても、各組換え体間での差は認められなかった。これらの結果から、PL-Im分子は従来考えられていたPRL受容体を介したシグナル伝達機構以外の異なる経路も利用してその機能を発現していることが考えられた。さらにこの経路には糖鎖が重要な働きを持つと考えられる。今後この経路を詳しく解析することは、PL-Im糖鎖の機能のみならずPLの新しい機能解明にも貢献するものと期待される。
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Report
(1 results)
Research Products
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